機器共用化

  崇城大学工学部ナノサイエンス学科内に設置されている「機能物質解析センター」および八田研究室には、機能物質の物性評価装置、構造解析装置など材料開発には欠かせない精密分析装置群が設置されています。
地域イノベーション戦略支援プログラムでは、汎用性の高い一般分析装置群として赤外分光光度計、紫外可視近赤外分光光度計、蛍光・燐光分光光度計を、さらに専門性の高い大型の特殊精密分析装置群として核磁気共鳴装置、質量分析計を共用化のための主な精密分析装置の対象とします。
崇城大学 共用化装置一覧表(PDF)

 装置共用化についてのお問い合わせは下記連絡先まで。
担当:松本文子(崇城大学工学部ナノサイエンス学科八田研究室)
TEL:096-326-3745
e-mail:matsu●nano.sojo-u.ac.jp(●=@)

機器講習会等のお知らせ

HPLC技術セミナー開催/参加費無料、各日時1団体(2~3名程度)
第一期 2014年7月1日(火)~2014年9月30日(火)
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日程はご希望に沿って承ります。時間は10:00~15:00の間でお願いいたします。 申込みは期限を設けず、随時行っておりますので、ご興味・ご関心のある方は奮ってお申し込みください。
詳しくはこちら(PDFパンフレット)

共用化装置一覧

主要共用化装置

全反射式フーリエ変換赤外分光光度計
(PerkinElmer : Spectrum 100 FT-IR Spectrometer)
物質に赤外線(IR)を照射すると、物質を構成している分子固有の振動エネルギーに対応した赤外線が吸収されます。本装置は全反射測定法(ATR法)によって赤外線吸収スペクトルを測定するので、有機化合物、機能性高分子、超伝導セラミックスのような無機物質などの構造解析はもちろん、透過法では測定困難なプラスチック、ゴム、電子材料などの表面分析も簡便に行うことができます。

装置概要(PDF)
装置マニュアル(PDF)

IR

紫外可視近赤外分光光度計
(日本分光 : V-670 UV/Vis/NIR Spectrophotometer)
紫外、可視及び近赤外領域の光を用いて溶液の吸収スペクトルを測定し定量分析を行えます。 また、レンズ、塗料、蒸着面など固体試料では、透過スペクトルや反射スペクトルが測定でき、各種の特性評価が可能です。本装置では特に近赤外吸収スペクトルを測定できるので、食品や医薬品などの定量分析にも利用できます。

装置概要(PDF)
装置マニュアル(PDF)

UV

フーリエ変換 核磁気共鳴装置
(日本電子(株)JNM-EX270)
(日本電子(株)JNM-ECS400)
 核磁気共鳴(Nuclear Magnetic Resonance=NMR)装置は、有機化合物を取り扱う研究には必要不可欠な装置であり、物質の構造解析に重要な役割を果たしている理化学機器です。有機化学だけではなく、生物化学や高分子化学への応用も広がり、近年は人体の断面画像を写し出すMRIとして診断医学にも利用されています。

装置概要(PDF)
装置マニュアル:JNM-EX270JNM-ECS400

マトリックス支援レーザー脱離イオン化質量分析計
(BRUKER-DALTONICS Autoflex Ⅱ MALDI-TOF/TOF-MS)
試料分子を高真空のもとで加熱気化させた後、適当な方法でイオン化し、これを電磁気的に分離して検出する方法を質量分析(Mass Spectrometry=MS)といいます。本装置は非常に高感度で、「原子の重さ」を基準に有機低分子化合物だけでなく、タンパク質やペプチド、多糖類などの生体高分子の構造解析に適用できる研究装置です。

装置概要(PDF)
装置マニュアル(PDF)

蛍光・燐光分光光度計
(PerkinElmer LS55 Luminescence Spectrometer)
測定試料に光を照射することによってエネルギーを吸収させ、試料の蛍光・燐光を分析する装置です。紫外可視分光光度計よりも高感度で分析ができ、本装置では蛍光と燐光の両方を測定することができます。有機化合物ではπ電子系を持つ化合物を中心に分析を行います。また、無機化合物でも有機試薬と反応させることによって蛍光性の化合物として測定することが可能です。

装置概要(PDF)
装置マニュアル:FL(PDF)PL(PDF)

高速液体クロマトグラフィー(HPLC)
(Jasco LC-2000 series)
 液体を移動相に用いて高圧送液ポンプと高性能充填剤の使用により分離を高速で行う装置です。移動相に溶解する試料が分離対象となります。分析化学や生化学だけでなく有機化学の分野でもよく利用されており、現在では金属イオンから生体高分子まで多岐にわたって測定できるようになっています。測定試料や測定モードに依っては数分~数十分/回程度の短時間で測定することができます。

HPLC


その他共用化装置

ガスクロマトグラフ質量分析装置システム(GC-MS)
(日本電子(株) / JMS-AX500)
ガスクロマトグラフ(GC)はサンプルと移動相が気体であることが特徴で、分離分析、定量分析の手段として欠くことのできない装置です。一方、試料分子を高真空のもとで加熱気化させた後、イオン化し、これを電磁気的に分離して検出する方法を質量分析(MS)といいます。本装置はGCとMSを直結した装置であり、GCで分離した各成分をMSで分析するため、各ピーク成分の同定が容易にできます。適用範囲が広く、あらゆる物質を検知できるので、石油化学工業、医薬品、食品、香料、環境分析など幅広い分野において利用されています。

GC-MS

円二色性分散計(CD)
(日本分光(株) / J-820)
分子の構造を見た時、実像と鏡に映した鏡像が重ね合わせることができない場合、その物質はキラルであるといいます。医薬品や食品には数多くのキラルな物質が多く存在し、キラルな医薬品や食品は光学異性体間で互いに異なった性質や効果を示します。そのため、どちらの異性体を使用するか、また純度はどれくらいなのかを測定する必要があります。これらの情報を得るための有効な測定法として円二色性分散計(CD)測定が利用されます。本装置はCDの中でも高性能であり、糖、タンパク質などの光学活性体の絶対配置、配座解析および反応速度などの分析に使用することができます。

CD

共焦点レーザースキャン顕微鏡(CLSM)
(カールツァイス(株) / LSM510META)
レーザー光を試料の特定の狭い範囲に焦点を合わせて像を検出します。そのため、一般の顕微鏡と違って厚い試料でもピントを合わせた画像を得ることが可能です。また、試料の様々な箇所の画像をパソコン上で再構築することにより、三次元イメージを作成することができます。生体分野では細胞等の生体試料の観察に用いられ、工業分野においては回路や半導体部品の品質管理に利用されています。試料に直接触れないため、高価な試料に損傷を与えず解析が行えることも利点です。

CLSM

走査型プローブ顕微鏡(SPM)
(SIIナノテクノロジー(株) / NanoNavi/E-sweepシステム)
SPMは、先端が原子レベルで鋭く尖った探針(プローブ)と試料間に働く様々な物理量を検出しながら走査することにより、微小領域の形態観察や物性分析を行う顕微鏡です。特徴としては、AFM、STMなどの多種多様な測定方法や、原子レベルにまで到達する高い空間分解能と多岐にわたる測定モードがあげられます。また、原理的にこれらの物性像と形状が同時に得られることから、形状と物性の相関を解析することが高い空間分解能で容易にできるという特徴があります。そして、SEMでは観察できない表面形状、大気中はもちろん、水中などでも測定が可能な点も広い応用範囲に繋がっています。主な用途としては、金属、半導体、有機物など非常に幅広く、多種多様な分野で活用されています。

SPM

走査型電子顕微鏡(SEM)
((株)キーエンス / VE-9800)
SEMは、電子線を電場レンズによって細く絞りながら、試料表面上を走査させて、表面から発生する二次電子や反射電子を検出して試料表面の顕微鏡像を得る装置です。特徴は、光学顕微鏡と比較して焦点深度が二桁以上深いことから、広い範囲にわたってピントの合った立体的な像を得る事ができる点があげられます。 主な用途は、無機物から有機物、生体関連まで、非常に幅広い材料の表面形態観察に用いられます。

SEM

動的光散乱光度計(DLS)
(大塚電子(株) / DLS-8000HL)
動的光散乱法(DLS)は準弾性光散乱法(QELS)とも呼ばれ、非侵入性の確立された技法です。懸濁液中の粒子または分子のブラウン運動は、レーザー光を異なる強度で散乱させます。これらの強度の変化を解析することでブラウン運動の速度が得られるため、ストークス・アインシュタインの式を使用して粒径を求めることができます。動的光散乱法の主な用途は、液体に分散または溶解されたサブミクロン領域の分子と粒子のサイズとサイズ分布を測定する場合に使用されます。

DLS

熱分析システム(DSC,TG/DTA,TMA)
((株)リガク / Thermo Plus 2)
本装置は物質の物理的性質(温度・質量・長さなど)を温度の関数として測定し、物質の機能評価に役立ちます。例えば、分子集合体の相転移の測定、複合材料の成分量の分析、熱分解過程の追跡、セラミック・ガラス・プラスチック等の熱膨張率測定などに用いられます。

DSC

X線回折装置(XRD)
(PANalytical(株) / X’Pert-PRO)
結晶にX線が照射されると、結晶格子面で反射し、互いに干渉し合い、条件を満たす方向の回折線のみ強度が増大します。このようにX線が結晶格子で回折を示す現象のことをX線回折といいます。本装置はX線回折を利用して物質の結晶構造を調べる装置です。測定結果を解析することによって、結晶内部で原子がどのように配列しているかを決定することができます。

XRD

蛍光X線分析装置(XRF)
((株)リガク / ZSX miniⅡ)
物質を構成する原子はそれぞれ固有の殻電子準位を持っています。このような物質にX線、γ線、電子線などを照射すると、その物質から原子特有の性質を持つX線(蛍光X線)が発生します。本装置はこの蛍光X線を用いて物質中に存在する原子の種類および量を解析する装置です。試料としては固体、粉体、液体が対象となり、不純物元素の同定、微量物質の重量や薄膜の膜厚測定、表面分析などを非破壊的かつ迅速に行うことができます。

XRF

単結晶X線構造解析システム(SCXRD)
((株)リガク / R-AXIS RAPIDⅡ)
試料の単結晶を作製してX線回折を測定することを単結晶X線回折といいます。測定試料は0.1 mm以上の十分な大きさの透明な結晶で、亀裂や大きな欠陥のない規則的構造を取っているものが対象となり、低分子結晶だけでなくタンパク質の結晶も測定可能です。単一波長のX線を(単色X線)を結晶の全方向に照射し、その反射光の強度を解析することでÅ(10-8 ㎝)単位での結合長の比較、分子間での相互作用など多くの構造学的因子がわかります。通常は未知試料の分子構造を決定するために行われる測定です。

SCXRD

ICP発光分光分析装置(ICP-AES)
(セイコー電子工業(株) / SPS1200VR)
本装置は約7000 ℃の高周波誘導結合アルゴンプラズマ(ICP)中で原子が放射する光の波長と強度を測定し、原子の特定と定量を高感度、高選択的かつ高速で行う原子発光分光分析(AES)装置です。例えば、微量金属イオンの分析、超伝導セラミックの高温蒸発物の分析、タンパク質に結合した金属の分析、有機金属化合物の分析などに用いられます。

ICP-AES

電気化学アナライザー(CV,DPV,SWV等)
(BAS(株) / ALSモデル612D 電気化学アナライザー)
電気化学測定に必要なファンクションジェネレーターとポテンショスタットが一体化した装置です。広いポテンシャル範囲を掃引して、試料の酸化種・還元種を調べることができることから、電極反応機構の解明、溶液中のイオンの定量・定性分析など、電気化学のみならず、無機化学、有機化学、高分子化学、生物化学など様々な分野で利用されています。

CV